2016年09月06日

トマトはなぜ赤い

 私たちにとって活性酸素が有害であることは、すでに見てきたとおりですが、これはトマトにとっても同じです。細胞核のDNAが活性酸素により損傷を受けると、トマトは正常な成長ができなくなってしまいます。
 この活性酸素はトマトの場合、光合成を行なう時に発生します。ですから、トマトも私たち同様、活性酸素から逃れられない運命にあるのです。
 しかし、トマトが私たちと違っているのは、自分でカロチノイドをつくり出せる能力を持っていることです。
 トマトの実の部分では、盛んに光合成が行なわれます。したがって、そこには活性酸素が大量に発生することになります。
 その活性酸素を消去しようと、カロチノイド、つまりトマトの場合は主にリコピンですが、そのリコピンが実に集まってくるために、トマトの実は赤いというわけです。
 その赤くなった実を、私たち人間は、自分たちの活性酸素撃退のために利用させてもらっているのです。


生活習慣病を予防する トマトのリコピン
生活習慣病を予防する トマトのリコピン


posted by ハートマン at 20:00 | リコピン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

強力な抗酸化作用を発揮

活性酸素が種々の病気を引き起こす
 リコピンがガンを予防するメカニズムは、β―カロチンと同じくその抗酸化作用によるものです。抗酸化作用とは、体内で発生した活性酸素を消去する働きのことをいいます。
 近年、この活性酸素が、さまざまな病気や老化を引き起こす原因であることが分かってきました。活性酸素が原因と考えられる主な疾患としては、ガンや脳卒中、心筋梗塞、糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病のほか、リウマチ、白内障、自己免疫疾患、アトピー性皮膚炎などがあげられています。
 活性酸素というのは、酸化力が非常に強くなった酸素のことで、私たちの体内の脂質やたんぱく質、核酸などを酸化して、細胞膜や酵素、遺伝子などにダメージを与えます。
 その結果、細胞、そしていろいろな組織、臓器が損傷され、さまざまな病気が発生したり、老化を促進したりします。また、発ガン関連遺伝子が傷つくとガンの発生へとつながります。

活性酸素発生の原因
 それでは、この活性酸素はどのような場合に体内で発生するのでしょうか。
 私たちは、体内に摂り入れた食物成分を酸素によって燃焼させることで、生命維持に必要なエネルギーを生み出していますが、その過程で活性酸素が発生するのです。したがって、生きている限り、私たちは活性酸素から逃れることはできないというわけです。
 この他にも活性酸素発生の原因としてはたくさんありますが、主なものとしては、喫煙、激しい運動、自動車の排気ガス、紫外線、アルコール、食品添加物、強度のストレスなどです。

抗酸化力はβ―カロチンの二倍
 このような活性酸素に対抗するため、私たちの体には、これを消去する機能が自然に備わっています。SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)という抗酸化酵素がその代表的なものです。
 このSODが活性酸素を消去してくれるわけですが、SODを体内で生成する能力は年齢とともに低下してしまいます。その結果として、消去できないで残ってしまった活性酸素が、種々の病気を引き起こす原因となります。
 そうならないようにするためには、食物から、活性酸素を消去してくれる抗酸化物質を摂り入れる必要があります。抗酸化物質としては、ビタミンCやE、β―カロチンなどが知られています。
 しかし、一九八九年に、リコピンにも強力な抗酸化作用があることが判明しました。その抗酸化力は、なんとビタミンEの100倍、β―カロチンの2倍というものでした。
 それ以後、リコピンの研究が急速に進み、現在では生活習慣病、なかでもガンの予防の面から大きな期待が寄せられています。



生活習慣病を予防する トマトのリコピン
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posted by ハートマン at 17:00 | リコピン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする