2016年09月07日

吸収性向上で生体利用能が高まる

消化管内の吸収を促進する
 水に溶けにくい脂溶性物質であるT3は消化管からの吸収性が悪く、経口摂取での生体利用能の低さが指摘されています。
 T3の吸収に対するγCD包接体の効果を、ラットを用いて検証してみました。
 ラットをT3群、T3+CD群、包接体群の三群に分け、下表のような投与液を経口投与して三時間後に屠殺し、血漿(血液から血球や血小板を除いた液体成分)および小腸をはじめとする各臓器における、主成分であるγ―T3の濃度を比較しました。
 その結果、ラットの小腸におけるγ―T3の濃度は、ほかの二群に比べて包接体群で高い傾向にあること、血漿のγ―T3の濃度は、包接体群で有意に上昇したことなどが認められ、T3―γCD包接体では、消化管内での安定性や吸収性が向上することが判明しました。

吸収性向上に胆汁酸が関与
 生体利用能を高める吸収性の向上には、以下のようなメカニズムが働いています。
 もともと水溶性のγCDは、脂溶性物質であるT3を包接すると不溶性に変化します。しかし、不溶性ながらも「T3―γCD包接体」は、微小な粒子として、腸管内で高分散状態にあります。
 そこへ腸管内に存在する胆汁酸が加わると、T3に比べてγCDとより相性の良いこの胆汁酸が、T3と置き換わります。
 これにより、T3は分子一つ一つが腸管内に放出され、一方、胆汁酸はγCDと包接体を形成します。
 この胆汁酸―γCD包接体は水溶性であり、消化酵素のアミラーゼに分解されるため、胆汁酸も腸管内に放出されることになります。
 そのため、胆汁酸は乳化作用を有することから、T3の分子一つ一つと分子ミセルを形成し、腸管内でのT3の溶解度を大幅に向上させるので、吸収性も向上します。したがって、生体利用能も高まることになるのです。




肌と心と体の健康増進に包接トコトリエノール
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放射線障害の低減・改善に有効

被曝対策としての放射線防護剤
 原爆や原発事故などはもちろんのこと、レントゲン撮影やガン治療などの放射線を使用する医療行為によっても、程度の差はあるものの被曝の恐れがあります。
 放射線により最初に影響を受ける体の部位は、骨髄です。骨髄には、血液の細胞成分である赤血球や白血球、血小板などのもととなる造血細胞が存在しますが、放射線の一種であるγ線は、この細胞の急速なアポトーシス、および骨髄障害を引き起こします。
 そのため、貧血、白血球の減少による感染症、血小板の減少による出血傾向など深刻な病状を招きかねず、生命の危機にさえ陥りかねません。
 こうした急性放射線症候群に対する有効な対策の一つが、放射線防護剤です。放射線防護剤は被曝の前後に投与が可能であり、生物への放射線の影響を低減し、生命を守ってくれるのです。

δ―T3は優れた放射線防護剤
 放射線が体内に発生させる活性酸素と活性窒素(フリーラジカルの一種)による障害が、前記のような病状を含め、さまざまな疾患を誘発することが知られています。
 したがって、比較的高い抗酸化作用を有するT3の中でも、いちばん強力なδ―T3が最も放射線防護剤に適した物質と考えられます。しかも、デスメチルT3には造血組織に対する造血促進作用がありますが、この作用においても、δ―T3のほうが優れています。
 δ―T3の放射線防護剤としての
有効性を検証した、Liらによる、次のような試験があります。
 コントロール群とδ―T3投与群に分けたCD2F1マウスに、〇・六Gy/分という線量率で全身照射量八・七五Gyのγ線を照射したのち、三〇日間にわたり、その様子を観察しました。δ―T3投与群には、照射の二四時間前にδ―T3を一回、投与しています。
 その結果は、コントロール群では三〇日後の生存率がわずか一八%であったのに対して、δ―T3投与群の生存率は一〇〇%というものでした。これにより、δ―T3が効果的な放射線防護剤であることが確認されました。
 また、Shibataらは、in vitroの試験(試験管内での試験)も行なっています。
 ヒトの臍帯血の中に存在するCD34陽性巨核球前駆細胞は、赤血球前駆細胞、白血球前駆細胞、混合コロニー形成細胞といったほかの骨髄系前駆細胞(CFU―Meg)に比べ、放射線感受性が高いという性質を持っています。この細胞に対しても、δ―T3が放射線による障害を低減し、修復するという作用が見られました。


肌と心と体の健康増進に包接トコトリエノール
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神経細胞保護など優れた働き

強力な抗酸化力で皮膚を防御
 太陽光の紫外線は、皮膚の脂質を酸化し、フリーラジカルの産生を促進します。フリーラジカルは非常に酸化力が強く、周囲の物質を酸化し、それらに障害を与えます。
 この酸化的障害は、皮膚の炎症やシワ・タルミなどの老化、さらには皮膚ガンの原因ともなります。Serbinovaらは、T3のフリーラジカルを消去する抗酸化作用は、TPの四〇〜六〇倍であることを明らかにし、また東海大学医学部は、T3の抗酸化作用による肌の老化防止効果を確認しました。

皮膚に優先的に蓄積する
 Traberらは、局所塗布でも経口摂取でも、T3は皮膚の最外層である角質層に優先的に蓄積し、皮膚表面に均一に分布するとしています。
 Ikedaらによる試験でも、ビタミンE混合物をラットに八週間、マウスに四週間経口摂取させた後のTPの皮膚への移行はわずか一%なのに対し、T3は約一五%と高濃度を示したと報告しています。Patelらのヒト一六名を対象とした試験でも、同様の結果が得られました。
 このように、強力な抗酸化力を有し、皮膚へ優先的に蓄積、分布するT3は、皮膚の防御に大変、有効な抗酸化物質といえます。

神経を保護する
 脳は神経細胞の集まりであり、これらの萎縮や死滅がうつ病に関係しているといわれます。酸素消費量が多く、かつ脂質含有量が高いため、活性酸素(フリーラジカルの一種)などによる酸化的損傷を受けやすい
脳の神経の保護にも、T3は役立ちます。この保護作用には、特定の細胞死メディエーター(情報伝達物質)を制御するという、T3の別の作用の関与も明らかになっています。
 また、アルコール性神経障害の予防、家族性自律神経異常症(FD)の改善などに、T3の有効性を示唆する研究報告もなされています。
 ところで、T3の中でもデスメチルT3には、以上のほかにも、次章に示すように、さまざまな優れた機能が見つかっています。

唯一の完璧な天然素材・アナトー
 現在T3は、米、ヤシおよびアナトー(Annatto)からつくられています。なかでもアナトーは、米やヤシと違いTPを含まず、デスメチルT3のみを含有(γ―T3一〇%、δ―T3九〇%)するという、TPによる機能阻害の心配のない唯一の天然素材です。
 アナトーは熱帯アメリカ原産の常緑低木であり、日本ではベニノキと呼ばれています。この果実の種子からT3が抽出されるのですが、同様に種子から得られる赤色の色素は、食品などの天然着色料として、以前から用いられてきています。


肌と心と体の健康増進に包接トコトリエノール
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2016年08月22日

過酸化反応を抑制する

食品添加物としてお墨付き
 抗酸化作用のあるビタミンとしてはビタミンCが知られています。しかし、ビタミンCは水溶性であるため、細胞レベルでの効果はあまり期待できません。
 その点、ビタミンE類は脂溶性であるため、その作用をいかんなく発揮することができます。            ビタミンEの抗酸化力の強さは、さまざまな食品に抗酸化剤としての添加が認められていることからも、うかがい知ることができます。

定説を覆す研究報告
 そうしたビタミンE類の中でも、もっとも抗酸化力に富んでいるのは、αトコフェロールであるというのが、これまでの定説でした。
 しかし、最近になって、それを覆す研究データが相次いで報告されています。
 たとえば、インドのバーバー原子力研究センターのカーマットらは、培養したネズミの脳細胞(ミトコンドリアの脂質とタンパク質)に人工的に酸化ダメージを与え、そのダメージについて、トコトリエノールの高濃縮物とαトコフェロールでは、どちらがより強く抑えられるかという実験を行なっています。
 結果は上段の図の通りです。
 図の縦軸は、過酸化物の量、すなわち活性酸素によって酸化された脂質やタンパク質の量を示しています。
 αトコフェロールは何も処置しない対照に比べれば、脳細胞の酸化をいくぶん抑えていますが、トコトリエノール高濃縮物の抗酸化力は、それをはるかに上回っているのがわかります。
 また、ネズミの肝組織(ミクロソーム膜)の脂質の過酸化反応に対して、トコトリエノールは、αトコフェロールの四〇〜六〇倍の抑制効果を示したとの報告もあります。



※図省略



驚異の抗酸化力トコトリエノール
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posted by ハートマン at 20:00 | トコトリエノール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

高純度の精製に成功して登場

八種類のビタミンE
 トコトリエノールはビタミンEの仲間であると述べましたが、そのことが判明したのはそう古いことではなく、一九六〇年代のことです。
 長年の研究により、実はビタミンEには、八種類あることがわかったのです。
 そのうちの四種類がトコフェロール類で、残り四種がトコトリエノール類。それぞれが、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)と分類されました。
 トコフェロールやトコトリエノールといっても、馴染みのない方が多いと思いますが、これらのうちで、もっともビタミンE効力が強いのがαトコフェロールといわれ、それまではビタミンEといえば、このαトコフェロールを指すことが多かったのです。
 ところが、ここ十年来の研究で、それにまさる効力を有するものとして、にわかに脚光を浴びてきたのがトコトリエノール類なのです。

トコトリエノールの研究が遅れた理由
 同じビタミンEの仲間でありながら、トコトリエノール類の研究は大幅に遅れていました。
 というのも、トコフェロールが植物油に広く存在するのに対して、トコトリエノールを含む食品は、そう多くはなかったからです。
 しかも、それらの食品中のトコトリエノールの含量はごくわずかで、研究用に純度の高いトコトリエノールを入手するのが困難だったという背景があったのです。
 ところが、十年程前、マレーシアの研究機関がパームヤシを原料に、トコトリエノールの高純度精製に成功しました。それを契機として、研究開発が一気に加速されたのです。

パーム油に多く含まれる
 トコフェロールは13頁の表のように、各種植物油にまんべんなく含まれていますが、トコトリエノールの場合は、その種類は限られています。
 米胚芽やココナツ、大麦、小麦種子から抽出した油脂中に比較的多く見られますが、なんといっても、もっとも多く含んでいるのがパーム油です。
 とはいっても、その含有率は〇・一%という微量にすぎません。それが技術の進歩により、七〇%近い高濃度の抽出に成功したことにより、本格的な研究対象として、表舞台に登場するようになったのです。



※表省略




驚異の抗酸化力トコトリエノール
驚異の抗酸化力トコトリエノール




posted by ハートマン at 16:00 | トコトリエノール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする