2017年10月31日

乳酸菌研究の歴史

パストゥールが発見した乳酸菌
 肉眼では見ることができない細菌(多くは長さが一〇〇〇分の一〜三ミリメートル)は、十七世紀にオランダのレーウェンフック(A.v.Leeuwenhoek)が自ら作った顕微鏡によってはじめて人類の目に触れることになりました。しかし細菌類がどんな働きをしているのかは十九世紀になるまでわかっていませんでした。乳酸菌を発見したのはフランスのパストゥール(L. Pasteur)で、一八五七年、甜菜(砂糖大根)糖のアルコール発酵漕の中で、乳酸を作りながら増える細菌として報告しました。同じ頃、ドイツのコッホ(R. Koch)は結核やコレラの原因が細菌であることを突き止め、目に見えない微生物が人間の世界と切っても切れない関係にあることが明らかになったのです。
 その後いろいろな乳製品から乳酸菌が見つけられ、一八九九年にはフランスのティシエ(H.Tissier)が乳児の便からビフィズス菌を見つけました。

メチニコフの不老長寿説
 乳酸菌と健康の関係が注目されだしたのは、二十世紀初めに、ロシア生まれの細菌学者メチニコフ(E.Metchnikoff)による、ヨーグルトの「不老長寿」説が広まってからです。
メチニコフは、細菌学と免疫学を研究し、細胞が異物を取り込む食細胞現象の発見によってノーベル賞を与えられましたが、人間の老化についても研究しました。その過程で、ブルガリアのある地方では百歳を超える長寿者が多く、彼らはヨーグルトを常に飲んでいることを知りました。そこでメチニコフは、
「腸の中にいる腐敗菌が有害物質を出して人間は老化するが、ヨーグルトに含まれる乳酸菌(ブルガリア菌)は腐敗菌を追い出すことができ、それによって老化を防ぐことができる」
 と、発表しました。ところがその後、食べたブルガリア菌は胃の中でほとんど死に、腸の中でほとんど増えないことがわかり、一時乳酸菌の研究は下火になりました。
 一九五〇年代以降になると、培養技術が進歩して腸の中に住み着いているほとんどの細菌の純粋培養が可能になりました。そして、これらの腸内細菌の一角を占めている乳酸菌は、人間の健康維持に大切な役割をしていることが改めて認識されるようになったのです。



乳酸菌は腸内の働きもん
乳酸菌は腸内の働きもん




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2017年10月30日

乳酸菌とはなんだろう?

乳酸菌はミルクの菌?
 みなさんは「乳酸菌」というと何を思い浮かべますか。「ヨーグルト」、「ビフィズス菌」などの答えが返ってきそうですね。最近は、テレビのCMや新聞広告でもさかんに宣伝されていますから、「下痢や便秘に効く」、「おなかにやさしい」ということをご存じの方も多いでしょう。どうも、乳酸菌というと、ミルクの中で増えてくる体に良さそうな菌、というイメージが一般的みたいですね。
 たしかに、乳酸菌はミルクとも関係が深く、食べたり飲んだりすればおなかの調子を良くします。けれども、乳酸菌は決してミルクの中だけで増えるわけではなく、またその効用は下痢や便秘には限りません。この冊子では乳酸菌とはどんな生物で、どう利用されているか、乳酸菌が私たちの健康とどう関わっているか、そして、乳酸菌の上手な摂取法についてお話ししたいと思います。

乳酸を作る細菌=乳酸菌
 乳酸菌というのは、糖(炭水化物)を分解して主に乳酸を作り出すことによりエネルギーを得ている、いろいろな種類の細菌の総称です。乳酸は、その名前からはミルクがイメージされますが、炭素と酸素と水素の原子から成る分子構造を持った弱酸性物質で、人を含む動物組織のエネルギー代謝でも作られます。
 結核菌とか、コレラ菌とかいえばそれぞれ一種類の細菌を指しますが、乳酸を多少でも作る細菌はたくさんあり、どれとどれを乳酸菌というのかということは、実は少しあいまいなのです。

役に立つ細菌=乳酸菌
 たとえば、ビフィズス菌は、糖から乳酸と酢酸を作ること、酸素があるところでは増殖できないことなど、ほかの乳酸菌とは性質がかなり違うのですが、一般的には乳酸菌の代名詞のようになっています。
 また、乳酸を作る細菌の仲間の多くは人間にとって無害ですが、なかにはありがたくない菌もいます。特に連鎖球菌のグループには、皮膚の化膿菌や虫歯の原因菌(ミュータンス菌)などの病原菌も多くあります。これらの菌は乳酸を作るという性質では乳酸菌のグループに属しますが、乳酸菌のイメージに合わないからか、あまり乳酸菌として扱われません。どうもかなりいいかげんなのですが、乳酸をたくさん作る細菌のうち、人間に役立つか害がないと思われる一群の細菌を乳酸菌と呼ぶことにしてこれからお話しを進めたいと思います。



乳酸菌は腸内の働きもん
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2017年10月26日

目の網膜中心静脈閉塞症にも有効【納豆】

コストと安全面からも注目
 ナットウキナーゼの血栓溶解能を期待して、最近は臨床的にも納豆が網膜中心静脈閉塞症の患者などの治療に使われ、実際に良い成績が得られています(39ページ写真)
 鳥取大学医学部での例をみてみましょう。58歳の男性の患者さんは、突然、右眼の急激な視力低下を自覚し、右眼の「切迫期網膜中心静脈閉塞症」と診断。すぐに内服治療を受けたが良くならず、入院加療となりました。そして、内服と止血剤の点滴とともに、市販の納豆1パック(100g)を毎日夜食に摂取してもらったのです。
 すると、10日目には眼底出血が消え、20日後には眼底静脈の閉塞の改善が見られ、視力も回復しました。その後も一週間に二度の納豆食事療法を継続したところ、2ヶ月後には血管の走行に異常はみられず完治。また副作用もありませんでした。これは納豆中のナットウキナーゼの線溶亢進作用が功を奏したものと思われます。



血栓を防ぎ骨を強くする納豆のネバネバ効果
血栓を防ぎ骨を強くする納豆のネバネバ効果



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2017年10月24日

骨の病気予防と納豆の相関関係【納豆】

消費量と逆の「西高東低型」
 骨には人体の99%のカルシウムが蓄えられていますが、血液中にカルシウムが不足すると、カルシウム濃度を一定に保つために骨からのカルシウムが吸収されることになります。
 特に女性はホルモンの関係もあり、歳をとるにつれてだんだん骨吸収の方が骨形成を上回ります。このアンバランスのために徐々に骨量が減って、その密度が病的に低くなるという骨粗鬆症になりやすいのです。
 この骨粗鬆症は老人の割合が増えつつある今日の大きな社会問題ともなっていますが、最近この病気に納豆摂取量が深く関係することが分かってきました。
 都道府県別の大腿骨頚部骨折患者数の推計と県庁所在地の一世帯当たりの納豆の消費金額を比べてみると、納豆の消費金額が多い地域は、少ない地域にくらべ足の付け根の大腿骨頚部の骨折が少ないことがわかったのです。納豆摂取量と反対にこの病気は西高東低であることが明らかにされています。


血栓を防ぎ骨を強くする納豆のネバネバ効果
血栓を防ぎ骨を強くする納豆のネバネバ効果


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2017年10月23日

強力で持続する血栓溶解作用【納豆】

薬より半減期が長い
 ナットウキナーゼの血栓溶解作用で優れている点は、その持続性にあります。病院での血栓溶解剤(注射薬)は、いずれも一度血液の中に入るとそこで作用する時間(半減期)が4〜20分と極めて短いため、点滴している間だけしか作用しません。
 一方、納豆のナットウキナーゼは口から摂った場合、短い人で4時間、長い人では8〜12時間という驚くほど長時間作用することがわかりました。
 8ページの表は、納豆摂取後の血液中の血栓溶解活性の変化を調べたものです。ELT(Eugloblin Lysis Time)が減少しEFA(Euglobulin Fibrinolyis Activity)が増加していることがわかると思います。これらは共に、血液中の血栓溶解活性が高まっていることを示しています。
 また、実験的に血栓を血管内に作った犬に飲ませて血栓が溶けることも血管造影法で確認されています(上の写真)。


※表・写真省略

血栓を防ぎ骨を強くする納豆のネバネバ効果
血栓を防ぎ骨を強くする納豆のネバネバ効果



posted by ハートマン at 15:12 | 健康ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月19日

ナットウキナーゼってなにもの?【納豆】

納豆の中の酵素
 7ページの写真は、ナットウキナーゼの発見のきっかけとなったものです。
 シャーレの中に作った人工血栓(白い部分)の上に納豆あるいは一般に糸≠ニ呼ばれているネバネバの部分を置き、体温とほぼ同じ37℃に放置したときの状態です。
 納豆、あるいはネバネバの周りの血栓が溶けて黒くぬけて見えることが分かります。人工血栓を溶かした張本人は、納豆に含まれる酵素。この強力な酵素が現在「ナットウキナーゼ(Nattokinase)」と呼ばれているもので、世界の約200種類の食品中で最も強力な血栓溶解作用を持つ酵素なのです。

薬に匹敵する量と質
 私達が食べている市販の納豆中のナットウキナーゼ量は、使用される納豆菌の種類や納豆の作り方で変わってきますが、その活性を、例えば病院でよく使われる血栓溶解剤「ウロキナーゼ」をもとに換算すると、湿重量1g当たり約1600国際単位にも相当します。
 これを単純計算すると普通の納豆1パック(100g)を食べたらその中には約20万円に相当する薬の効果があるということになります。





血栓を防ぎ骨を強くする納豆のネバネバ効果
血栓を防ぎ骨を強くする納豆のネバネバ効果



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2017年10月17日

梅肉エキスは効率的【梅干し】


塩分少なく効きめは大
 塩分の心配をせず、うめぼしの薬効を期待したい方に最適なのが「梅肉エキス」です。梅肉エキスは、完熟直前の青梅の汁を濃縮するものですから、塩をつかいません。
 つくり方は次のとおりです。
@熟す前の青梅を用意します。きれいに水洗いし、ふきんで水けをとります。
Aうめを割りタネを取り除きます。 梅割器=@が便利ですが、なければ木づちなどで叩いて割ります。
B実をすりつぶし、汁をしぼりだします。すり鉢やおろし器ですりつぶすより、ジューサーで一気にかけると楽です。
C木綿布でこしたしぼり汁を土鍋かホウロウ鍋に入れ、弱火でことことと煮詰めます。
Dしゃもじやスプーンでよくかきまぜながら煮詰めていくと、汁が茶色にかわり、さらりとした液状になります。黄色の泡はすくいとります。
Eやがてねばりけがでて、アメ状のような感じになれば火を止めて出来あがりです。あとは熱いうちに容器に入れ、自然にさめるのを待つだけ。

家庭の常備薬として
 梅肉エキスは殺菌力にすぐれています。お湯で割って飲めば、食中毒や下痢に効き、腸の働きを整えるので便秘にも有効です。
 エキスがにがてというお子さんには、ハチミツか砂糖を少し加えれば飲みやすいでしょう。お父さんの二日酔い、ご婦人の便秘解消、お子さんのカゼ予防など、梅肉エキスは 家庭の常備薬=@として便利なものです。



うめぼしパワーが健康を守る
うめぼしパワーが健康を守る

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2017年10月16日

すっぱいけどアルカリ性食品【梅干し】

強力なアルカリ性
 うめぼしはその酸っぱさのせいで、酸性の食べ物だと思っている人も多いでしょう。だが、酸っぱいから酸性、とは限らないのが食べ物の不思議なところ。
 ある食べ物が酸性かアルカリ性かは、それを灰にしたあとに残るミネラルが酸性のものが多いか、アルカリ性のものが多いかで判定します。
 うめぼしの場合、多く含まれているミネラルはカリウム、リン、マグネシウム、ナトリウム、鉄分、カルシウムなど。これらのうち、酸性のミネラルはリンだけ。あとはすべてアルカリ性です。
 つまり、うめぼしは強力なアルカリ性の食べ物なのです。

酸性にかたよる食生活
 酸性とアルカリ性のどちらが大事ということは、一概にいえるものではありません。要はバランス。どちらかにかたよってしまうことがいけないのです。
 ところが、現代の食生活はどうしても酸性食品にかたよりがちなのです。肉、卵、乳製品、米、パンなどは酸性ですし、インスタント食品の多くもそうです。
 こうしたかたよりを中和するのが腎臓の働きです。しかし、その作業をずっと続けていれば、当然、腎臓に負担がかかりすぎてしまうのです。

カルシウム不足を防ぐ
 しかも、酸性へのかたよりを中和するため、アルカリ性のカルシウムが使われたりします。カルシウムは、小魚の摂取量が減るなどして、現代の日本人に不足している貴重なミネラルです。
 骨を丈夫にし、長寿の要因ともされるこのカルシウムを無駄にしないためにも、うめぼしは役に立つ食品なのです。



うめぼしパワーが健康を守る
うめぼしパワーが健康を守る


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2017年10月12日

クエン酸の疲労回復力はすごい【梅干し】

疲労物質を分解する
 うめぼしの重要な成分のひとつにクエン酸というものがあります。このクエン酸は疲労回復にたいへん効果のある物質です。
 疲労の原因は乳酸とよばれる疲労の素です。この乳酸が筋肉に蓄積されると、こりやだるさとなって現れます。
 乳酸はでんぷんが分解されてつくられる物質ですが、クエン酸にはこの乳酸を水と炭酸ガスに分解して、からだの外へ出してしまう働きがあります。
 しかもクエン酸は、乳酸そのものもつくりにくくするのです。

レモンよりうめぼしが効く
 スポーツをやったことがある人なら、クエン酸の効果の素晴らしさを身をもって体験したことがあるでしょう。疲れたときにレモンをかじると、活力がもどったようにスッキリするはずです。
 これは、レモンに含まれているクエン酸が、疲労の素である乳酸を分解してくれるからなのです。それと同じクエン酸が、うめぼしにもレモンに劣らず多量に含まれているのです。

カルシウム摂取を助ける
 カルシウムを浪費しないためにも、アルカリ性のうめぼしが役立つことはすでに記しましたが、クエン酸にはそのカルシウムの吸収を助ける働きもあります。
 なぜなら、カルシウムはクエン酸と結合すると溶解力が強くなって、体内に取り込みやすくなるからです。これは、三重大学の動物実験でも確認されています。
 カルシウムというのは、貴重なミネラルのわりには吸収されにくい物質なのです。牛乳や小魚など、カルシウムの豊富な食品を食べるときも、せっかくのカルシウムを無駄なく摂取するため、このうめぼしをいっしょに食べたいものです。


うめぼしパワーが健康を守る
うめぼしパワーが健康を守る



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2017年10月10日

梅の名所ことはじめ【梅干し】


水戸が梅の名所になったわけ
 梅といえば有名なのは、水戸の偕楽園です。いまでも春ともなれば、数多くの観光客が訪れる梅の名所です。
 水戸の梅が有名になったのは、烈公の呼び名で知られる九代藩主・徳川斉昭の功績です。この烈公は江戸もだいぶ後期の人ですから、おなじみ水戸黄門の光圀公の頃は、水戸にはほとんど梅の木はなかったくらいなのです。
 さて、この烈公は梅の花を愛していただけでなく、その薬効にも注目していたので、なんとか梅を水戸に根づかせようと、自ら江戸などで梅の実を集め、水戸の地に植えていきました。藩校である弘道館を新設したときは、そのまわりに数千本もの梅を植えています。これが現在の偕楽園なのです。
 烈公はまた、うめぼしのつくり方にも持論があり、その製法を記しています。これはしその葉をつかった、現在のうめぼしと同じもので、酒気を加えると柔らかくなるので、酒樽をつかうといいなどの工夫も加えています。
 こうした先駆的な人たちのおかげで、うめぼしは庶民のあいだに浸透していきます。
 うめぼしと昆布に熱いお茶をそそいで飲む「福茶」もそのひとつです。これは正月や節分などの季節の行事にも欠かせない飲み物となりました。
 また、江戸時代から明治時代にかけては多くの疫病が流行しましたが、こうしたときにも庶民はうめぼしの殺菌力に頼ったのでした。

生産量日本一は和歌山県
 水戸が「梅の花」の名所なら、「梅の実」の生産量日本一は和歌山県です。
 和歌山は大粒の梅「南高」を産することで有名。当然、うめぼしの生産も盛んで、内地うめぼしの大部分を加工しています。
 和歌山県の梅栽培の歴史も古く、徳川家康の第十子であり、初代紀州藩主頼宣の附家老・安藤直次が田辺藩主として赴任し、産業奨励策として荒地にうめを植栽し免租にしたのが始りで、以後「藪梅」として連綿と伝えられ、明治時代から現在の管理栽培やうめぼし加工が行なわれています。




うめぼしパワーが健康を守る
うめぼしパワーが健康を守る


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posted by ハートマン at 15:43 | 健康ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする